ダリウス・ミヨーは20世紀を代表するフランスの作曲家だ。
幼少期より独自の音楽語法を持っていた作曲家と記されているが、本当にそうなのだろうなと作品からいつも感じる。
若い頃より多調性・民族音楽など他の作曲家とは異なる独自の着眼点を持っていたと言えよう。
この記事を書くにあたり驚いたのだが、彼の代表的な作品の一つである「世界の創造」はなんとガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」より1年早い作曲であるそうだ。世界の創造は1923年の作品、ガーシュウィンの同作品は1924年の作曲だ。
それにしてもミヨーの作品は聴いていて楽しくなるような曲が本当にたくさんある。
今度演奏するスカラムーシュもそうだし、木管5重奏の「ルネ王の暖炉」も上品だがどこか愛らしさを感じる。
20世紀フランスの作品は複雑な和声を「より複雑に、絢爛に」使っていく印象があるのだが(もちろん例外も多い)、ミヨーのそれは(復調という複雑な要素を持つ曲ですらも)子供のイタズラのような、そんな印象を受けるのだ。
スカラムーシュの話をしよう。
1937年に作曲された作品で、最初は2台のピアノのための作品として作曲…作曲というか転用なのだが、モリエールの演劇「空飛ぶ医者」の音楽から1、3楽章を作曲、シュペルヴィエルの演劇「ポリヴァール」の音楽から第2楽章を作曲した。この3つをまとめスカラムーシュとした。
2台ピアノ、サクソフォンとピアノ、クラリネットとピアノのための3バージョンがある。
管弦楽伴奏版も存在していて、それもメジャーなのだけれども、あれは作曲者のオーケストレーションなのだろうか。今度調べよう。
とても楽しい曲だ。なんというか、本当に茶目っ気というか愛嬌というか。
例えばクラリネットとピアノのためのソナチネといったフランスの皮肉に溢れる緊張感ある音楽も確かに書くけれど、それとは世界観が全く違う。最初はソナチネや室内交響曲1番のような作風を持っている曲が好きだった(今も好きだが)、こういう底抜けに明るく優しい曲も良いものであると本当に感じる。あ、ちょっと語彙が減った。
実はスカラムーシュの楽譜を手に入れたのは去年末ごろで、それまでは自分の楽譜を持っていなかったのだが、おそらく数年前にマイナーチェンジが起こったのではないかと推測される。クリストフ・ミランボーという人による楽曲解説が添えられているのだが、マイナーチェンジ前の楽譜にもあったのだろうか。持っている人教えてください。
ミランボーはちょろっと調べる限り演出をしたりアレンジをしたりしている方のようだ。もう少し調べたい!(と言いつつ記事は終わる)
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