正直。私はクラシック音楽を聴くのが得意とは言えない。
少しでも集中力が欠けた鑑賞をすると、本当の意味で演奏や曲の内容を理解したり、本当の意味で興味を惹かれるようなものに出会えないことが多いからだ。
それは自分自身の聴き方の問題ではあるのだが、その原因というのが何に起因するものなのか、まったく自分では理解が出来なかった。
それを紐解くきっかけは時間にあるのではないか?
そんなことを思い始めたのはいつからだっただろうか。
我々クラシック音楽を取り扱う芸術家も、また音楽を楽しんでくれる一人一人の聴衆も、「等しく、思いの外時間を持っていない」ということを忘れてはいけないように思う。
この現代において、クラシック音楽は嗜むためにあまりにも時間がかかり過ぎるのだ。それはでも、誰かを恨めばいいわけではない。仕方がないのだ。
数ある豊かな嗜みの中から、音楽を選び楽しむことの尊さを、驕り抜きで忘れてはならないと感じた1日だった。
ご来場下さった皆様に深く御礼申し上げたい。
また、今回はプログラムノートおよびナレーション執筆を藤井千裕さんに、ナレーションを高久真尋さんにお願いした。このオリジナリティ溢れる空間を作ってくださった二人にも合わせてお礼申し上げたい。
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